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ひとりきり
翌朝、練習疲れと酒の呑みすぎで怠い身体を引きずるように祐斗は、よろず屋に出勤した。
「おはようございます」
「おはよう」
今日はすでに颯介は来て、パソコンのチェックをしていた。山上は誰かと電話中なのか、片手をあげて祐斗に挨拶をした。
鞄をデスクに置いた所で、パソコンから目を離した颯介が、祐斗の方を向いた。
「祐斗君にお客さん来てるよ。確か、吉岡さんって方が」
颯介は、ちらっと奥にあるパーテーションで仕切ったソファーの方を見た。
「仕事の依頼だそうだね」
「あ…はい」
「お前の名刺持ってたぞ。お前が最後まで責任もって対応しろ。湯野ちゃんもむつも手が離せないからな」
電話口を押さえた山上がそう言った。そして、祐斗の返事を待つ事なくまた話はじめてしまった。
「そういうわけだから…相談室使っていいよ。片方空いてるから」
颯介にもそう言われ、祐斗はどうしたら良いものかと悩んだ。とりあえず、よろず屋に来て貰えたら、誰かが対応するものだと思っていた。
「分かりました」
祐斗は、折角任されたのだからと緊張しつつもパーテーションの方に向かっていった。




