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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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てがみ

「さて、障害物競走が終わりましたし、早速次の競技に移ろうと思います」


マイクを通して、淡々とした声が響いてきている。むつは、それを聞きながらいまいち、盛り上がりにかけるよなと染々思っていた。


「…競技って言っちゃってますね」


「個人運動会だから」


むつと京井は並んで男の話を聞きながら、すでに呆れた様子になっている。競技事態には、勝敗がかかっているからむつも本気にはなるが、どうも気持ちが入らない。


「…あいつは何?分かる?」


「正体ですか?私はお会いした事ない方だと思います…ので、何者なのかは分かりません。スズキさんはどうですか?」


「さぁ…でも、悪い人な気がしないかな?会った事は、ないと思う。離れてるから、よく分かんないかな」


「そうですか…」


次は何をする事になるのかと、むつと京井は仮面をつけマイクを握っている男を注目していた。


「では続いて、11人居るのを8人にまで絞らせて頂きます。次は…逃げて頂きます。こちらの、この屋敷の使用人に捕まらないよう逃げ切ってください。捕まって、そこにある…」


男が手を差し出した。そこにライトが当たり、上からゆっくりと檻が下ろされてくる。


「檻に押し込められないように逃げ切ってください。ここに入らない限りは、負けとは認められませんので」


竹かごの大きな檻を見て、むつはうわぁと明らかに嫌そうな顔をした。以前に、檻に入れられた事があるからか絶対に負けたくないと顔に書いてある。


「今回の競技には、いくつか注意点がございます。先ず、人の姿を保ったままで居る事。姿を消す事は認められません。隠れるのは有りです。それから、靴を脱ぐのも有りです…それとこの屋敷内。室内からは出ないでください。使用人たちは、皆様がスタートしてから3分後にスタートといたします」


「今度は鬼ごっこ」


「何とかなりそうですね」


「実戦つきなのが気になる所だけど」


むつはハイヒールを履いておくか否か、悩んでいるようだったが、ストッキングだけは、とりあえず履こうとしている。

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