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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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てがみ

「どんな願いも、叶う…ね」


むつが悩むように言った。そんな胡散臭い話に乗るべきではないのは、よく分かっている。じゃん拳で参加者を絞り込んでから、何をさせられるかも分からない。そうとなると、参加しないのが1番いい。


「むつ、じゃない…スズキさんは参加するつもりになってますね?」


祐斗が聞くと、むつは曖昧に笑った。どんな願いも叶うと聞かされて、惹かれない者は居ないだろう。だが、怪しさ満点すぎる。


「止めといた方が…」


「きょ…わ、ワンさんはどう?」


「魅力的なお話ではありますね。どんな願いもってなると…ですが、あの仮面の者の正体が分からないので…何とも危ない話な気はします」


何か叶えたい願いでもあるのか、京井は真剣な目付きで舞台の方を睨んでいる。


「だよね。何者かしら…」


腕を組んで、むつも舞台の方をじっと見ている。どんな願いも叶うというのは京井の言った通り、かなりの魅力を感じる。だが、願いと言われてもむつは少し悩んでしまった。ちらっと頭に浮かんだ事はある。それを望んで良いのか悪いのか、そしてそれも叶う事なのかむつには分からない。


「…参加しよっかな」


「おい、やめとけ。じゃん拳だけで済むような話じゃないだろうが…」


「うん…でも、参加してくる」


山上はむつを止めようとしたが、むつはもう参加すると決めてしまっているようだ。


「スズキさんが参加するなら俺もしてみようかな?パーティーのメインイベントって事だし」


颯介が意外と軽い調子で言い、むつと一緒に舞台の前に向かっていく。そうなると、山上と祐斗、京井も参加しないわけにはいかない。


「…ったく、しょうがねぇやつらだな。くだはスズキを止めなきゃならねぇってのに」


「そうですね…でも、遊園地の貸切りが出来るなら…俺は1年間無料で焼き肉食べ放題とかお願いしよっかな」


「もぅちょいマシなのかないのか?」


「そういう社長は?」


「二日酔いにならない身体にして欲しい?とか?」


「…呑みすぎは身体に悪いですよ」



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