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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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てがみ

「それにしても…」


目的の場所を目の前にして、京井は息を飲んだ。山道に入っていく所からすでに所有地なのか、門の前に警備員らしき男が2人立っている。京井は門の前で車を止めて、窓を開けて招待状を見せ、後続の車もそうだと告げた。男が頷いて門を開けると、京井はゆっくりとアクセルを踏んで細い山道を走らせた。


「凄い規模ですね。山を所有して、そこに会場を作ってるって事のようですね」


「とりあえず、すっごくお金持ってて気合いの入ってる主催者って事しか分からないわ」


「それだけ分かりゃ十分だ」


山道ではあるが、くねくねしているわけでもなく、ゆるやかに螺旋を描くように道は作られている。


「…むつ、酔ったか?」


ゆっくりと車は走っているが、常にカーブしているような道が続いているからか、むつはぐったりとした様子になっている。


山上は自分の肩にむつの頭を乗せさせ、窓を少し開けてやった。都会とは違う、澄んでいて冷たすぎる風が車内に入ってきて、むつの頬を撫でていく。いつもは、垂らしている髪の毛もハーフアップにして毛先を巻いてあるせいか、さわさわと首筋に触れてくすぐったい。


「むぅちゃん、もう少し我慢してくださいね」


「…ん、大丈夫」


大丈夫とは言っても、喋る元気もないようで声がほとんど出ていなかった。


「乗り物ダメだよなぁ…そんなんで西原に迎えに来てもらって大丈夫か?」


「あたしが運転する…」


「西原が酔うからやめとけ」






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