てがみ
「…それにしてもさぁ?遥和さん、クリスマスなのに予定なかったの?」
「えっ!?私、ですか?」
「うん。だってさ、幅広く事業展開してるから、あちこちでパーティーとかありそうじゃない?政治家とか実業家とか集まりそうなやつ」
「あぁ…無いわけじゃありませんが。行く意味ないでしょう。肩凝りそうですから」
「行ったら仕事でプラスにとか…」
「なるとは思いますけど…プラスにしていくのは、一緒に働くスタッフたちの力次第ですから。コネってやつは好みませんね。お互い都合いい関係ってやつですか?そんなの人間同士でどうぞ、って感じで…そんな面倒なお付き合いするより、むぅちゃんを着飾って連れて歩く方がよっぽど楽しいと思うんですよね」
「…遥和さんってちょっと黒い?」
「意外と腹黒」
むつと山上が後ろで、こそこそと言っていると聞こえている京井は、くすくすと笑っていた。
「でも、実際はそうですよ?折角のクリスマスくらいは、気心しれた人たちと過ごす方が楽しいじゃありませんか。行く場所に少々の不安はありますが」
「それも込みの楽しみ、にしよ。何が起きるか分からないっていうのは、ドキドキするわぁ」
「うん。だから、な、むつ?そのドキドキはよくない事が起きそうなドキドキだからな?分かってるか?」
「分かってるわよ。でも、ほら…皆で居たら大丈夫だって。ピンチの時1人くらい知恵のあるやつが居るもんよ」
「確実にそれは京井さんだな」
「よくお分かりで。あたしは、行動あるのみ派ですからね…でも、このドレスじゃそれも出来ないかなぁ」
ちょっぴり残念そうにむつが言ったが、山上も京井もそれでいいと言っていた。




