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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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てがみ

髪の毛のセットもメークも終わると、京井はドレスを着たむつを上から下までチェックした。その視線の鋭さは仕事の時用の厳しさのある眼なんどろうな、とむつは思うと共に、セットとメークをしてくれた女性たちが、緊張しきって京井の言葉を待っているのだと思うと、申し訳なく思えてならなかった。


「うん、良いでしょう。髪飾りを選びましょうか。その後で、少しキツめにスプレーをお願いします」


机の上に広げられた髪飾りは、小さなティアラや色々とキラキラした物が沢山並んでいた。


「派手すぎず…でも然り気無く主張のある物がいいですね。むぅちゃんは髪の毛の量もありますし、シャラッとした物の方が」


髪飾りもネックレスもブレスレットも靴も結局は京井が全て選んだ。むつは京井が自分の為に色々と考えてしてくれている事が嬉しくて、そして普段見れないような真剣な眼差しを見ている事が出来てか、終始楽しそうだった。


京井が今度は立たせたむつを上から下までチェックしていると、とんとんっとドアがノックされた。


「開けてください」


振り向きもせず京井は、メーク担当の女性に告げると、女性は素早くドアを開けた。


「遥和さんって社長なんだねぇ」


むつが染々とした様子で言うと、京井は一応そうですよ、と首を傾げていた。


「うちの社長とは全然違う。威厳?なのかなぁ…でも、あたしからしたらお兄ちゃんって感じなのになぁ…」


セットとメークの女性たちが、恐縮しきってるよ、とむつはくすくすと笑った。


「仕事は仕事ですから」


京井も困ったように笑い、良いでしょうと呟いてむつの腰に手を回して一緒にドアの方を振り返った。

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