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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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てがみ

むつが下着を身に付けて、バスローブを羽織ったまま部屋で待っていると、出ていった京井はすぐに戻ってきた。むつが選んだ、シャンタンワンピースにケープ、それから何足ものハイヒールに木箱にきちんと並んだネックレスやブレスレットが部屋に運び込まれた。


「ワンピースのリボンは外して、パールのチェーンベルトにしますか?ケープもリボン付きと無いのを持ってきましたから」


「赤と黒って…毒々しくならないかな?」


自分で選んでおいてなんだけど、とむつが不安そうに呟くと京井はドレスを壁にかけて、にっこりと笑った。


「なりませんよ。しっとりした大人な感じに仕上がりますから、大丈夫ですよ」


すでにどんな仕上がりになるのかは、イメージ出来ているようで、髪型もメークも京井が指示をしている。むつは、ただ座ってされるがままになっていた。


セットとメイクをする人達は、ホテルのオーナーある京井がすぐ横で見ているからか、緊張した面持ちであったが、てきぱきと自分たちの仕事をしていく。


「…下地はこんな感じです。気になる部分はありますか?」


「いえ、大丈夫です。ね、遥和さん」


「えぇ、そうですね」


「では、眉毛のお色は…」


「髪の毛が真っ黒ですし、明るすぎない茶色が良いかと思いますが…どうですか?」


「そ、そうですね。眉毛も黒いと重たい印象になってしまいますから」


メークを担当している女性は、むつではなく京井からの返事に緊張しているようだった。アイシャドウの色も、チークの色も、付け睫も京井が決めむつは口出しする事はなかった。あとは、仕上げにメークが崩れしないようにと、付け睫も口紅だけになると、髪の毛のセットに取り掛かる前にむつは着替えた。

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