ひとりきり
子供たちに混じって、じゃれあいつつ練習をし、その後社会人部でみっちりとしごかれた祐斗は、心地良い疲れを感じていた。
前ならば、疲れきりぐったりしていたのに今日に限ってはむしろ、まだまだ動けそうな気がしていた。
それを西原に言うと、ランナーズハイみたいな物だよ、と笑われた。祐斗はそれでも、疲れを心地良いと思えたのは初めてで、何とも言えないが嬉しかった。
「道着で擦れる意外は、痛くないのが不思議ですよね」
更衣室で軽くシャワーを浴び、他のむきむきとした人たちにぎゅうぎゅうになりながら着替えながら、祐斗が呟いた。
「そりゃ皆が上手いからだろうよ」
「下手なヤツに投げられたら痛いけど、上手いヤツになら本当にこう、ふわっとなるからな」
むきむきの筋肉の男たちの、どこからかそんな返事が聞こえてきた。
「谷代みたいな細っこいのが、でかいヤツに勝てるのが柔道だからなぁ」
「力はいらないからな」
年齢も職業もバラバラな男たちの、話をふんふんと祐斗は聞きながら、Tシャツをかぶった。
「あの、前に来てたねぇーちゃんもちっこかったけど、強かったな。100キロ近いヤツを普通に投げたからな」
「えぇ‼そんな人居たんですか?その人はもう来てないんですか?」
「来てないなぁ。んな事より、谷代と西原はこのあと暇か?呑みに行こう」
「えー?俺も祐斗君も明日は仕事っすよ」




