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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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てがみ

23日の夜に連れ去られたスタッフのせいと言うべきか、怪異を専門に扱うよろず屋の面々、と言っても社長の山上聖を筆頭に社員の玉奥むつ、湯野颯介、アルバイトの谷代祐斗は25日の朝方まで、仕事をする事になっていた。そして、そのまま仕事の依頼主の元で風呂を借りて仮眠を取っている間に、服は洗濯されぴしっとアイロンがかけられていた。


「ちょー眠ったい」


昼夜を問わず仕事をするはめになった原因を作ったむつは、椅子にもたれて伸びをした。


「お前がトナカイに連れ去られたお陰でな。全員が寝不足なんだよ。けど…良い仕事だったな」


「そうですね。一生に一度でも出来ない体験をしましたからね」


祐斗は眠そうに欠伸をしているが、表情は晴れ晴れとしている。むつがトナカイに連れ去られ、風邪で寝込んでいるサンタクロースの代役としてプレゼントを配った事といい、祐斗には他にも良い事があったのだろう。むつはそんな祐斗を見て、微笑んだがそれに祐斗は気付いていない。


「むっちゃんのコスプレも見れたしね」


「ミニスカ、ニーハイ姿なんて滅多に見れるもんじゃないもんな。たまにはスカート履いたらいいのに。もう今年は仕事の予定ないだろ?」


「予定はなくても仕事来るのに、ミニスカ、ニーハイじゃ…どうよ?」


颯介はにこにこしながら、有りだよと言っている。山上も服装に関してはうるさく言わず、それでも動き回れるなら良いと言っている。 ミニスカートにニーハイソッスクを履いていても、仕事は出来る。だが、今日もむつは地味な紺色のパンツスーツ姿だった。シャツに黒のカーディガンを着て、長い髪の毛の無造作に後ろで1つに縛っている。それにレンズの大きな伊達眼鏡だった。


「…でも、ここに居る時のむつさんが、1番むつさんっぽい気がします」


「あら、それは嬉しいな。ありがと」


むつがぱっと笑みを見せると、祐斗も嬉しそうな笑みを見せた。


「…で、郵便物は?」


「あっ…は、はいっ…」


アルバイトの祐斗が居る時は、祐斗が下の郵便受けから手紙なんかを取ってきて、いらないチラシは捨てて残りはむつに渡す事になっている。祐斗はチラシを自分の机に残して、残りはむつに手渡した。


「チラシは全部捨てますよ?」


「はーい。捨てといて」


むつは封筒を1つ1つ確認して、風を開けた。

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