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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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おてつだい

「終わったな…で、次はトナカイさんと打ち合わせか?トナカイさんはどう振り分けられてるんだ?」


細々した物を運ぶのに、行ったり来たり、しゃがんだり立ち上がったりで疲れたのか、西原は腰をとんとんっと叩いている。


「トナカイさんって…」


トナカイにさん付けするんだとむつは笑ったが、確かに今回のこの仕事はトナカイに頑張って貰わない事には無事に終わらない。


「えーっと、荷物も分散させるから…2人組の所は5頭立てで、1人の所は3頭立てで行くよ。先頭に立ってくれる子がリーダーさん…」


むつは出入り口の横にある棚に置いてあるファイルを取って、それぞれに渡していく。


「…サンタさんと相談して、区域をわけて住所をリストにしてあるから。これを全部、先に1回トナカイさんに伝えるの。で、出発の時もこれを持ってって、プレゼント置いたら、次の住所を告げて…を繰り返すわけ」


「で…どこに移動するんだ?」


「トナカイさんたちの所に行くのよ。この裏手にトナカイさん達の小屋があるんだって」


西原がトナカイさんと言うからか、むつもトナカイさんと言っている。ファイルを手にして、外に出てむつは霧の中を歩いていく。そして、小屋と言ってもかなり大きな舎に入っていく。獣臭さもなく、清潔にされていて、トナカイたちは思い思いの場所でゆっくり過ごしている。


「むつ、どこ子たちが誰と行くか分かるのか?」


「それは、トナカイさん達で決めるって。サンタさんが言ってたけど…」


むつたちに気付いたのか、トナカイが腰を上げてゆっくりとこちらにやってきた。寄ってきたトナカイはどれも大きく、ゆっくりとでも向かってこられると迫力がある。むつはすぐ近くのトナカイの鼻の頭を撫で、少し頚を傾げた。


「あのね、サンタさんとはお話ししてあるんだけど…祐斗と菜々、あたしと西原の所に5頭ずつ。湯野と山上に3頭ずつでついて欲しいんだけど…」


むつがそう言うと、トナカイたちは少し考えるようにじっとしていたが、それぞれが顔を見合わせると、そろそろと別れていく。


「…君、あれよね?ずっと案内役してくれたり、あたしをバケツリレーのように回した最初の子」


「…見て分かるのか?」


わしわしと首の付け根辺りを撫でながらむつが言うと、西原は他のトナカイとそのトナカイとを見比べた。毛の色や白の混じり方などに違いはあるが、顔の違いまでは分からない。むつには分かるようで、自信あり気な笑みを見せていた。


「さて…組分け決まったし。あたしらは向こうで話しよっか」


背中の部分を撫でながら、むつは西原のジャケットの裾を引っ張り他のトナカイたちと、ぞろぞろ移動していく。

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