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ひとりきり
二人は暗い道を歩き、大きな市民体育館にやってきた。下駄箱に靴をしまい、慣れた様子で中に入っていく。
そして、畳の敷かれた広々とした所に入る。二人とも当たり前のように、畳を踏む前に立ち止まり頭を下げた。すでに、畳の上には小学生から高校生の子供たちが大勢いる。
祐斗と西原が連れだってきたのは、柔道教室だった。二人は、子供たちの邪魔にならないよう端を歩いて、更衣室に入り
手早く着替えた。
祐斗は西原と着替えるたびに、ちらちらと西原の身体つきを見ていた。身長も颯介や冬四郎に比べると低く、身体も細く見えたが、意外と筋肉質だった。ごりごりでも細マッチョでもなく、ちょうど良さそうについた筋肉が、祐斗は羨ましかった。
祐斗は自分の白く、細い身体を見て少しだけ溜め息をもらした。
柔道教室に通うようになって、まだ1ヶ月経つか経たないかではあったが、それでも祐斗は体力がついてきたことを実感してはいた。




