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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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おてつだい

食べ放題に来たなら元を取りたいと、むつと菜々は野菜が高いからと、後半は野菜を中心に頼み、次々に焼いてはしっかりと胃袋に収めていった。とは言っても、大半以上は菜々の胃袋に収まっている。


「むつ、またダイエット?」


「んー?ちゃんと食べたってば。菜々も遥和さんも食べろ、食べろって…食べてるのに」


むつが食べたがったビビンバも、ほとんどは菜々の胃袋に入っている。むつはそれを分かってうえで、拗ねたような言い方をしている。菜々もむつの食べる量が、明らかに減っている事を分かってはいる。そのせいで、少しずつ痩せてきている事も知っている。それが心配でならない。むつも心配されている事を知っているから、頑張って箸を動かしてはいるが、なかなか飲み込む事が出来ずにいた。


「あんまり痩せると…あたしまでダイエットしなきゃいけなるなるんだけど?こさめさんスレンダーだし」


「菜々は…胸にお肉ついたらいいのにね。こさめは細いよね。本当に細い…猫だからか?」


「都合よく胸につくなら悩まない。猫だから…かなぁ?でも、むつの所に居る間っててきぱき家事して、あとはごろごろしてたわよ?お菓子もよく食べるし」


「太らない体質か…いいなぁ…」


「あんた、仕事は体力いるんだし食べて。少し太って…あたしの為にも」


「何でよ?」


「仕事休みでさ…あんたの所に泊まってて、こさめさんのご飯もあんたのご飯も美味しくって…つい…太ったわけよ」


菜々は椅子に深くもたれて、腹を撫でた。大量に食べたからか、ぽっこりと腹というより胃が出ている。


「今、食べたからでしょ?消化して出したら大丈夫だって。それでダメなら…ウォーキングでもしよっか」


「そうね…さ、気を取り直してデザートたーべよっ。むつはどれにする?」


「うん…あたし抹茶アイス」


「餡子と白玉乗ってるわよ?」


「デザート別腹」


「なら、あたしチョコケーキ。後で…」


「一口ずつ交換しよ」


むつと菜々は額を押し付け合うようにして、メニュー表を見ながらくすくすと笑った。

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