表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
654/1310

とあるひのこと

「…どっちとか分かるのか?」


「ん、待って」


立ち止まって静かにすると、むつは真っ暗な森の中に視線を向けた。何も見えないはずだが、何か感じる物はあるのかもしれない。


「あっちだと思う」


そう言って、むつは導かれるようにふらっと歩いていく。ライトで足元を照らしても居ないのに、しっかりとした足取りで歩いていた。西原は置いていかれないようにと、むつの後を追って行った。祐斗と菜々も置いていかれないようにと、一生懸命だった。祐斗は、菜々の足元をしっかりと照らしていたが、ヒールの有る靴では、舗装されてない道は歩きにくいようで、ゆっくりとではあった。それに比べて、やはりヒールの高い靴なのにむつは平然と歩いていた。


「何が居るとか分かるのか?」


「それは分かんない…でも、子供?」


「子供?」


「そんな気がする。弱ってるから、そう思うだけなのかもしれないけど…」


「ふぅん?どっちにしても早く見付けてあげないといけないだろうな」


「…先輩、優しいよね。誰にでも」


「ヤキモチ?」


「ちょっとだけね」


くすっとむつが笑うと、西原もくすっと笑った。そして、そっと手を伸ばしてむつの手に触れると、むつは当たり前のように手を握った。


「手冷たいな」


「冷えてきたのかも」


「なら、早く片付けて帰らないとな。夕飯食いっぱぐれたら、悲しくなるからな。京井さんの所ってなると、飯が1番楽しみなんだよな」


「何食べても美味しいもんね。あんな人なら相当モテるんだろけど…」


「浮いた話なさそうな人だよな」


「残念な事にね」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ