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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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とあるひのこと

真剣な表情のむつと西原は、納得がいくまでは何度もやり直したようで、すでに疲れたような顔をしている。だが、むつは満足そうだった。西原の方は少し不満そうだった。轆轤側と粘土側とで交代すると、祐斗も菜々も、わあと声を上げながらやっている。


「集中力ない2人には不向きだよな」


「かもしんないわね」


最初に轆轤を回してたからか、あとはのんびりと土を捏ねながらむつも西原も形成していく。形を作り終えると、むつは竹串なんかを使って、模様を描きいれていく。


「こっちは色を入れてくれるんだったな」


「そうそう。出来上がりが楽しみだわ」


サラダボウルのような物を作ったむつは、花と葉の模様を入れていった。西原も何か描こうとしているが、なかなか思い付かないようだった。それに、あまり美術が得意ではなかった西原には絵心ごない。眉間にシワを寄せて、それでも慎重に模様を描きいれていた。気軽な感じでやっていたむつは、ちらっと隣を見た。真剣な西原の横顔を見て、むつはふふっと笑っていた。


「…終わった」


「終わったね。疲れちゃった?」


「何か、うん…でも楽しかったな」


焼き上がった物を送る先の住所を記入、料金を支払った4人は礼を言ってから外に出た。来た時には明るかったが、すでにとっぷりと暮れていた。


「帰ろっか。夕飯何だろー?お腹空いた」


「そうだね。ふーんっ、今日で休みも終わりだ。明日は帰る前にお土産買わないと」


「そうね。あたしも、晃さんにお土産買わないと。晃さんのおかげで、旅行に来れたわけだし」


「気遣わなくていいのに」


「気遣ってるわけじゃないけどさ。むつと旅行なんて、いつぶりよ?晃さんのおかげだもん」


「…最後は卒業旅行?」


むつと菜々は仲良く寄り添って、歩いている。祐斗と西原は少し離れて後ろを歩きながら、少し残念そうな顔をしている。


「取られちゃいましたね」


「でも、楽しそうだからいいだろ」


「そうですね…で、進展ありましたか?」


「そっちこそ、どうだった?」


「まぁ…あの、後日ゆっくりと…」


「分かった」

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