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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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とあるひのこと

「ん…菜々ちゃん、ごめんね‼」


こさめは菜々に謝ると、しゅるしゅるっと小さくなった。湯煙が立つ風呂場で小さくなっていき、黒い毛に覆われたものへと変わっていく。むつは見慣れているが、菜々は驚いたように目を見開いている。


菜々の隣に座っていたはずのこさめは、毛並みの良い黒猫になっていた。湯で濡れた身体をぷるぷると震わせて、黒猫は菜々を見上げた。


「ごめんね、騙してて…」


菜々は何が起きたのか分からないといった感じで、むつと黒猫を交互に見ている。むつは黒猫に手を伸ばして、ぐりぐりと小さな頭を撫でた。


「え…な、何!?ど、どういう事!!」


「こさめはね、篠田さんが拾って飼ってた猫が妖になったの。猫又ってやつなのよ」


「………」


むつからの簡単な説明を聞いても、菜々の衝撃は余程の物だったのか、猫が妖で猫又と呟くように何度もいっていた。だが、はっとしたようにむつを見た。


「あ、分かった‼だからか…あーそう、成る程、そうなのね。あーはいはいはい、納得した。むつの部屋に泊まっててさ、こさめさんと2人だったりしたのに、何で動物の毛みたいなのが落ちてたりするのか気にはなってたけど…そっか。ふーん、こさめさんのだったのね」


もう1度ふーんと言った菜々は、黒猫姿に戻ったこさめの小さな頭を指先で撫でた。衝撃は大きいようだったが、すぐにそれにも慣れたかのように受け入れた菜々を、こさめが驚いたように見上げている。


「うん、菜々なら絶対に大丈夫だと思ってた。だから、2人が一緒に事務所来た時に仲良くなってくれたらなーって思ってたのよね」


むつは嬉しそうに笑みを見せた。


「うん、びっくりした。でも、むつに能力あるし、部屋には烏天狗?だっけ?そんなのとの写真もあっし、こさめさんが猫でも、まぁ…うん、何だろ…そっかぁーって感じかも。猫でも何でも、こさめさんだもんね」


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