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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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とあるひのこと

結局3人ずつに別れて行動し、女性陣は温泉巡りをして、色々な物を少しずつ食べてから、旅館に戻ってきた。湯に入りすぎたのか、ぐったりと疲れた様子ではあったが、どこで貰ってきたのかパンフレットを広げて、どこの湯が良かったなどと話しては、また行こうと言っていた。


そして、楽しみにしていた夕飯は1階の囲炉裏のある部屋で全員でだった。囲炉裏で新鮮な魚や牡蠣を京井自らが、焼いて出してくれた。


「美味しい…牡蠣甘い、来て良かった」


「本当よね。贅沢してるわぁ」


むつと菜々は、ぷりっとした大きな牡蠣を本当にうまそうに食べているが、こさめは食感が嫌なのか、1つだけで満足したようだった。


「う…こさめにはよく分かんないやつだ。魚の方が美味しいと思うけど…」


こさめは、牡蠣はもういいと串刺しになった魚にかぶりついていた。軽く塩が振ってあるだけだが、ほんのりと甘味があって美味しい。女性陣と祐斗は酒より食い気なようで、もりもりと食事をしている。それを横目に、4人の男たちは刺し身や焼き牡蠣をあてに、呑んでいた。


「むぅちゃん、今日はどの辺を散策して来たんですか?」


よく食べているようで、そんなに食べいないむつの箸はもう完全に止まっていて、暖かいほうじ茶をすすっていた。


「んーっとねぇ…この辺?色々、温泉入ってきたよ。足湯とか」


床に置いてあったパンフレットを広げて、むつが指差すと京井は頷いた。そして、少し端の方を指差した。


「この辺は行かないでくださいね。女の子が行くような所ではありませんから」


「何があるの?」


「温泉街ですし…男性が遊ぶ所ですよ」


男性が遊ぶ所と言われ、しばらく考えたむつは、山上の方を見た。


「…あ、成る程。だからか…」


「何かあったんですか?」


「いや、男の人と良い事して、稼げるから働かないかって声掛けてきたのが居て…」


「そうでしたか…あまり、女性だけで行動しない方がいいかもしれませんね。変な男が居ないわけではありませんし、気を付けてくださいね」


むつがこくっと頷くと、京井はもう少し食べてくださいと、焼けたばかりの牡蠣を皿に乗せた。むつは、ははっと笑っただけで、身を取ると菜々にあーんと言って食べさせていた。

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