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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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とあるひのこと

出発当日の朝、むつは幼馴染みの朋枝菜々と篠田直弥という山上の元部下の飼っていた猫が、猫又という妖になったこさめと共に待ち合わせの駅にやってきた。旅行の話をすると2人は、行くと即答し昨日は3人で買い物に行き、むつの部屋に泊まったのだった。飼い主である篠田は仕事の関係上、駅での待ち合わせだった。


3人が到着すると、篠田を含めた6人。颯介、祐斗、山上、冬四郎、西原はすでにやってきていた。アルバイトの祐斗は普段から私服だが、他の5人の私服を見る事は滅多になく新鮮な感じだった。正直、乗り気ではなかったむつだが、仲良しの菜々とこさめも居るし、普段あまり見ることのない面々の私服を見て、少しだけ旅行が楽しみになっていた。


新幹線のチケットはむつが指定席で先に取ってあり、それを個々に渡して行った。新幹線を降りてからは、電車とバスを使っての移動だった。京井が迎えを寄越すと言ってくれたが、むつは折角だからゆっくり行きたいと言ったのだった。それに、旅館にはチェックインの前に荷物を置けるようにして貰ってある。それ以上、甘えるのはやはり悪い気がしていたのだった。


新幹線に乗り込むと山上は、冬四郎と篠田を相手にさっそく呑むつもりのようで、売店で買った缶ビールを開けていた。それを見たむつは、それも旅行の楽しみだよね、とくすっと笑っただけだった。山上も何かと気を揉む事が多く、こじつけにむつを出しただけで、恐らくは皆が皆、心身ともにゆっくりする事を望んでいたのだろう。


「何事もないといいなぁ」


むつがそう呟くと、隣に座ったこさめがこくっと頷いた。こさめも篠田がゆっくり出来るならと、喜んでいたのだった。

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