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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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るーぷ

「何でさ、自分でやらずにこっちに回してきたの?もしかして、あたしの肩慣らしに協力?」


「まさか。何年も、同じことが繰り返されてるんだぞ?1回くらい死なずに向こうに行きたいだろ」


「…何か矛盾してるような話ね。どっちにしても、あたしらが来なくても済む話」


「少し気になる事があったからな」


むつの手当てを終えた男は、丁寧にも靴下を履かせてやると靴まではかせていた。そして、ぐいっとむつに顔を近付けた。むつは壁に寄り掛かっているせいか、逃げる事も出来ずに男にじろじろと見られている。


「ふぅん…まぁ…」


やけにむつと男の顔が近く、むっとした様子の祐斗は、男を押し退けるようにして間に無理矢理割り込んだ。そんな祐斗に男はくすっと笑った。


「リンさんですよね?どういう事ですか?何で、よろず屋に依頼を?」


「俺の仕事ではないからな。人ではないモノからの困り事は、よろず屋の仕事だろ?」


「…まぁそうですけど」


「まぁ何でもいいけどさ。この病院の事はいつから知ってたの?」


「そうだな…2年前か?仕事でこっちに来た時に、たまたま見付けた廃病を中心地にしててな。で、その霊とも会ったんだ」


すいっと男、りぃが広瀬を指差すと広瀬は、こくこくと頷いた。協力してくれた人の事は、ちゃんと覚えていたのか顔には笑みが浮かんでいる。


「広瀬さんに口止めしてたってわけか」


「そういう事だ」


「…このあとは任せても良い?祐斗じゃ力不足だし。あたしじゃ無理だし。一緒にタダ働きして」


むつが言うと、りぃは仕方ないと言いたげに肩をすくめて見せた。


「…立てるか?外に出るぞ」


差し出された手を素直に取ると、むつは立たせて貰った。祐斗はむつのコートと鞄を拾うと、広瀬にぺこっと頭を下げるととことこと歩き出した。

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