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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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るーぷ

2人の目の前の男は、自分が死んでいる事をきちんと受け止めているのか、話せる人と話せない人が居るのを分かっている。


「おじさんは、誰ですか?何で俺たちがよろず屋の人間だって思ったんですか?」


『手紙を出したからね。生きてる人が来るなら、そうかなって…違う?』


「いえ、そうです。むつさん、このおじさん手紙をくれた人だそうです。で、おじさんお名前は?」


『広瀬です』


「広瀬さん…?」


「出張の人だ」


祐斗から名前を聞いたむつは、すぐに誰かを答えた。むつは颯介に電話した時に、誰が誰なのかを聞いていたのだろう。


『そうそう、ちゃんと読んでくれたんだね。ありがとう。って事は、ここで何が起きたのかも分かってるかな?』


「はい。暴れた患者に皆殺しにされたって」


『うん、そうなんだよ。さっき、男が来ていただろう?その彼が犯人なんだよ』


「え…ちょっと、むつさんさっきの男が犯人なんですって。って事は犯行前に様子を見に来たって事ですね」


「計画的な犯行みたいね。でもさ、患者の中には自力で逃げられる人も居たんじゃないの?」


『うーん…それがね、後から知ったんだけど、睡眠薬で眠らされてたみたいでさ』


「睡眠薬で眠らされてたそうです」


「…共犯者が居たのね。それも病院関係者の方に居たって事になっちゃうけど?」


『うんうん。あちらの女の子は鋭いね。説明が省かれて助かるよ。あ、ちなみに、お名前は?』


「あ、こちらは玉奥です。俺は谷代です」


「ご挨拶が遅れましたが玉奥むつと申します」


祐斗が自己紹介をしていると分かると、むつはもやもやした塊に向かって、ぺこっと頭を下げた。手紙をくれた男、広瀬もむつの方にぺこぺこと頭を下げている。むつには、はっきり視えていないはずなのに、礼儀正しくしているのが何となく面白い。

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