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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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るーぷ

「しっずかに」


伸びてきた手に口をおおわれて、むつは声をあげずに済んだ。いつの間に後ろに来ていたのか、祐斗は困ったような顔をしていた。ばっと祐斗の手を剥がすと、むつは溜め息をついた。


「…何するのよ」


「こっちの台詞ですよ。それにどうしたんですか?何か…」


「看護師じゃなかったから…何かと思って」


「何者だったんですか?」


「さぁ?男だったよ。他の部屋の様子も見て回ってるみたいだったけど…」


ベッドに戻ろうとしたむつは、ぎょっとして足を止めた。祐斗も驚いたように固まっている。先程まで祐斗が居たベッドには、白くもやもやしたものがある。形になろうとして、なりきれていない。そんな雰囲気だった。ふよふよと浮いてるでもなく、ちんまりとベッドに座っているような感じだった。


「お、おじさん…いつから?」


「おじさん?祐斗には視えてるの?」


「え、はい…むつさんには?」


「白い靄の塊にしか視えない。座ってるっぽい雰囲気はあるけど…」


「あ、はい。ベッドに正座してます」


祐斗に視えているのは、50代くらいの男で、少し頭の真ん中あたりが薄くなり始めている。男はむつと祐斗を交互に見るようにして、首を動かした。


『よろず屋の方かな?』


「っ…」


男の声がすると、むつは額を押さえた。


「むつさん?」


「何か頭痛が急に…」


『僕が喋ったからかな?』


むつはもやもやしている辺りを見た。だが、はっきり形は見えないし、声も聞こえてはいない。だが、男が声を発するたびに顔をしかめている。


「みたいですね。むつさん、大丈夫ですか?このおじさんが喋ってるんですけど…」


「む…何だ電波が悪いのかも。祐斗、任せるわよ。通訳役だと思って、頑張って」


『女の子の声は聞こえるんだけど。誰とでも話せるわけじゃないもんね、仕方ないか』



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