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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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るーぷ

祐斗にとがめられたが、むつはタバコに火をつけている。きちんと灰も携帯灰皿に落としている。


「ここ、約20年に廃病してるんだって。理由がさ、入院中の患者が暴れて医者も看護師も他の患者も殺しちゃったんだって。で、駆け付けた警官の前で本人は自殺だって」


「暴れたって…」


「まぁ麻薬中毒だったのか精神系でかは、はっきりしないみたいだけどね。そんな感じ」


「いやいや、ざっくりし過ぎですよ。何でここから今すぐには帰れないって言ったんですか?それに呼ばれたって…」


「だよね。あのね、3通の手紙の持ち主。特定出来たんだって。3人とも、亡くなってるって。ここで。事件の時に」


「え、え?ちょ…ちょっと待ってくださいよ。だって、出張の人は他の病院に移ったんじゃ…」


「そのはずよね?でも、当時の新聞に死者の名前が出てるみたいでさ。そこに名前があったって…同姓同名の可能性もあるかもしんないけど」


「はぁ…それで、つまり?」


「つまり?病院内でやっぱり3人を探した方がいいのかも。あ、あとね…事件が起きたの今日だって。今日っても日付が変わってから、午前4時頃だってから…」


「…タイミング良すぎますよね?だから、呼ばれたって思ったんですか?」


「うん。出張の人はよく分かんないけど…とりあえず、死者に呼ばれたんじゃないかなーって気がする。だから、3人を探してみようよ。話が聞けるかもしんない」


「むつさん。次から仕事に出る時には、どんなに気楽な感じでもやっぱり下調べだけは、絶対にしましょ。社長が肝試し程度にーなんて言っても信じちゃダメです」


「そうだよね…あ、あとさ廃病だからって肝試しに来るのって居るんだって。そいつらが、ここで死んでた人を発見したりしてるんだって。それも事件の次の日にね…」


「…はい。分かりました。むつさんが言いたいのは、実際にまた事件が起きて巻き込まれる可能性があるんじゃないかって事ですね?」


「そーなの‼飲み込み早い!!いいね‼」


「良くなーい!!もう何なんですか?むつさんの肩慣らしってハードじゃないですか?」


「うむ、下調べも何もせずに、ふらっと出てきて皆で力を合わせるのが肩慣らしだよ。あ、そうそう‼呼吸を合わせるみたいなね」


「最悪っすよ」

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