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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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るーぷ

むつは唇を引き結んで、何か悩んでいる風であった。むつが沈黙していると、不安げな祐斗は、医者とむつを交互に見たりと落ち着かなくなってきたようだった。


「だ…だったらもぅここで検査してくださいよ‼不安なまんま帰るのは嫌ですよ‼」


沈黙に耐えられなくなったのか祐斗が怒ったように言うと、むつはにやっと口の端をほんの少し持ち上げた。


「本人がこう言ってますし。お願いできますか?」


ほんのりと微笑んでいるむつが言うと、医者はふむふまと頷いている。むつの顔を見ながら、祐斗はもう泣きそうになっている。


「分かりました。でしたら、明日の朝から来るように、検査入院を今夜からして頂けますか?そうすれば早いと思いますし」


「そうですね。是非お願いします」


にっこりと笑みを浮かべたむつの目は、悪戯っ子のような輝きが浮かんでいる。祐斗も医者もそれには気付いていない。


「分かりました。すぐに入院の準備をしますので…あ、その前に採血だけいいですか?上着脱いで、腕出してください」


医者か自ら採血をするのか、注射器を用意している。祐斗が上着を脱ぐとむつが預かった。腕をまくりあげると、二の腕の辺りをゴムチューブでぎゅっと縛られ、親指を中に入れて、手を握るように言われている。祐斗に指示に従っている間、むつは辺りをきょろきょろと見た。先程までいた看護師がいなくなっている。どの看護師のかは分からないが、ぱたぱたと歩き回る足音が聞こえている。忙しくて他に回ったのかと、むつはあまり深くは考えていなかった。

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