るーぷ
ソファーに座った祐斗に、むつは再びコートをかけてやっている。顔色が悪いのも悪寒がしているのも、この病院内に居るからだと分かってはいるが、むつにはどうしようも出来ない。
「むつさん、風邪引きますよ?」
「大丈夫だよ。祐斗のが体調悪そうだし…にしても、この病院寒いよね」
「ですよね。霊が多いから余計にかもしれませんけど」
すんっと寒そうにむつは鼻をすすった。祐斗にぴったりとくっついて、両手に息を吹き掛けて、擦り合わせている。
「…帰りたい」
「俺もです」
2人は寄り添うようにして、冷たいソファーに座り検査の結果が出るのをただ待っていた。暖房なのか、時折ほのかな風が頬をかすめるが、それさえも暖かくは感じられない。まだ、最初にいた待合室の方が暖かかった気がする。
30分くらいは待ったであろうか、看護師に呼ばれて、むつと祐斗は再び医者の前に来た。
「インフルエンザの検査は引っ掛かってませんが…」
が、と言葉を切られると祐斗は少し緊張したような面持ちになり、不安げにむつの方を向いた。医者もむつの方を見たが、むつは何てことはない。うっすらと微笑んでさえいる。
「何か引っ掛かる事でもありましたか?」
「えぇ、出張で来てるとの事ですし。後日、近くの病院で診て貰った方がいいかもしれませんね」
「………」




