表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
547/1310

るーぷ

「…それにしても、よくこのよろず屋御中ってだけで、うちに届きましたよね?」


「ってか、消印もない」


「直接持ってきたって事かい?」


颯介もそれには気になったのか、祐斗から封筒を受け取ると、宛名を見たりしている。


「…差出人の名前はあるね。調べてみるかい?電話帳とかでなら、出てくるかもしれないよ」


「まぁ…そうね。一応は依頼だし。3通もあるって事は、よっぽどの病院なんだろうね」


「ついでにむつ、診て貰えよ。ちょっと鼻声だぞ?新居、まだ寒いんだろ?」


「大丈夫。それなら藤原の所行くから」


山上がからかうように言うと、むつはきっぱりと断った。そして、椅子から立ち上がり倉庫から分厚い電話帳を持ってきた。そして、封筒の名前があるかを探して薄いページをぱらぱらとめくり始めた。


「ねぇ、依頼なら料金取らなきゃじゃん?どーすんの?差出人の名前しかないってなると、わざわざお家訪問?」


「…近場だと良いですけど」


祐斗がマグカップを持って立ち上がると、むつは電話帳から顔も上げずに自分のマグカップも持ち上げた。祐斗は嫌な顔をする事もなく、受け取るとキッチンに入っていった。


「あ、あー…」


むつは悩んだような声を上げながら、デスクの端に置いてあるメモ帳を引き寄せると、ボールペンで何かを書いていく。そしてまた、ぱらぱらとページをめくった。


コーヒーをいれて戻ってきた祐斗は、むつの分をデスクに置いた。むつは祐斗が横にいるうちにと、先程書いたばかりのメモを見せた。立ったままの祐斗は、砂糖多めで甘くしたカフェオレを飲みながら、首を傾げている。


「この人が…出張での人でしょうか?」


「たぶん。これ、自宅の番号、かけてみて」


メモを受け取った祐斗は席に戻ると、メモされている番号にかけ始めたが、現在使われておりませんだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ