表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
536/1310

うんめいとは

マンションの近く駐輪場にバイクを停め、むつと西原は並んで部屋まで向かっていく。廊下の先のドアを開けると、すでにキッチンには冷蔵庫も電子レンジも置かれている。


「お前ら、随分仲良しだな」


「むぅちゃんを座らせた辺りから、ここからずっと見てたんですよ。それにしてもこの部屋…対面キッチンは良いですね」


「そうなの、1番良いのは対面って所」


ダイニングとの対面キッチンになっているが、細長いキッチンではなく広々としている。


「ですが…」


「ですが?」


京井は意味ありげに言葉を切ると、部屋の中を見渡した。寝室として使う部屋は、引き戸になっており今は開け放されている。京井は部屋の方をちらっと見た。


「むぅちゃんは…この部屋に呼ばれたのかもしれませんね」


「呼ばれた?」


京井に手招きされたむつは、とことことついていく。部屋からベランダに出て京井は近くにある神社の方を見た。


「あそこの神社のお方に、ですよ。お知り合いですか?」


「ううん…この辺は来た事ないから。でも昨日見に来た時にも、いらっしゃったから…それで、ここにしたのかも」


「かもしれませんね。どういった方かは分かりませんが…気を付けてくださいね」


「危なそう?」


「分かりません」


京井がきっぱりと言うと、むつは手摺に肘をついて頬杖をつくとマンションの先にある神社を見た。本殿は大きな木に隠れて、全ては見えない。だが、その奥から強い視線のような物を感じた。良い物とも悪い物とも言えず、むつは少し不安になっていた。


「ご挨拶行くよ…」


「それが良いと思います。神と名の付く方が、みな優しいわけではありませんからね」


「…あたしが知ってる神様は優しいけどね。人次第だとは思う…与えもするし奪いもするし」


「そうですね。さ、片付けしましょうか。明日から、ここで生活するなら片付けないと落ち着きませんからね。リビングのソファーはどうですか?邪魔にはならない気もしますが」


「そうねぇ…置いておこうかな。あたしがゆっくりする時に使いたいし。まだ新しいもん」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ