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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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うんめいとは

慌てて朝食を食べ、京井に見送られてロビーまで行くと山上はソファーでのんびりと新聞を読んでいた。


「あ、社長。おはようございます」


「おはようございます。お待たせしちゃって、すみません」


むつと西原が揃って挨拶をすると、山上は細めた目を新聞から離して2人の顔をまじまじと見た。そして、何か納得したように軽く頷いた。


「おはよう。むつ、昨日渡すの忘れてたけど…お前の鞄な。中身、確認してみろ」


「あ、ありがとう。すっかり忘れてた」


むつは鞄を肩にかけ、中身を確認した。財布と携帯、化粧ポーチにハンドタオルと部屋の鍵、タバコとライターがあった。


「うん、あるある。ありがと」


かぱっと財布をあけて、免許証やカード類を確認すると鞄にしまった。むつがほっとしたような顔を見せると、山上は新聞を畳んで棚に戻すと2人と一緒にホテルから出た。


冬の寒さはあるが、よく晴れていて空が高い。ひんやりとはしているが、澄んだ空気を吸い込んだむつは、1人よしっと気合いを入れていた。


「あ、あたしが運転するよ。先輩、鍵」


「…え?」


駐車場にやってくるとむつが手を出した。西原と山上は、顔を見合わせてむつに運転させるかで少し悩んでいるようだった。


「…俺がするから。むつは西原と後ろに乗れ」


西原から鍵を受け取った山上は、ご丁寧にも後部座席のドアを開けてむつを中に押し込んだ。続けて西原も押し込まれると、ばたんとドアが閉まった。


「…ちょっ、重い‼」


座席の上で横にずれるのが遅れたむつな西原に乗っかられているし、西原も押し込まれたせいでバランスを崩してシートに手をついていても、むつに体重をかけるかっこうになっている。


「…早く向こう行けよ。何か、足つりそう」



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