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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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うんめいとは

「…なら、一緒に住まないか?」


「先輩と?ルームシェア?」


「いや、まぁ言葉としては間違ってないけど…そうじゃなくて、同棲って方向で」


胡散臭そうな顔をしつつ、西原の方を振り向いたむつは、西原が意外と真面目な顔をしているのに気付いて、困ったような顔をした。


「…別れた理由覚えてるよね?」


「覚えてる。お前は…普通じゃないものを、持ってるもんな」


普通じゃないと言われたむつは、酷く悲しそうな顔をしたが、ぱっと背を向けてからからとベランダの窓を開けて外に出たせいもあり、西原は気付かなかった。


「なら、答えはノーでしょ」


「…むつ」


西原が何か言おうと、ベランダに出ようとするとばたばたと廊下を走る足音が聞こえてきて、ばんっとドアが開いた。


「悪い、悪い…鍵借りれたぞ」


「あ、はーい。ありがと。この部屋すっごく良いよね。今から見る部屋も設備って一緒なの?」


ベランダの窓を閉めて、鍵をかけたむつは明るい声ではしゃいだように言いながら、西原の残してさっさと部屋から出ていく。あとから西原も出ると、山上はブレーカーを落とし、部屋を見回してから鍵をかけた。


「まぁ一緒だな。ドアフォンとか見たか?最新式のやつで、どの部屋にもつけてあるんだよ」


山上の説明を聞きながら、むつはおぉと嬉しそうな声をあげているが、どこかどうでも良さそうな感じでもあった。山上が持ってきた鍵で、目的の部屋を見に行くと2LDKの部屋と設備は同じだった。ただ、少し風呂が狭いのとキッチンのコンロが3口から2口になっている程度で、むつは少し悩んでいた。


「ここ…ここ、かなぁ?」


「部屋としては良くても、何かぴんとこないんだろ?」


「そうなんだよ。運命的なのがない」


「…お前、難しいんだよ。それ買い物に行っても言うだろ?ピアスとか特に」


「そう!!ピアスも何か運命的を感じる感じないがあるんだよねぇ…可愛くても、これじゃないみたいな?分かる?」


「全然、分からねぇよ。とりあえず次行くか」


山上は仕方ないなぁという顔をしているが、付き合って部屋を見て回るのは苦ではないようだった。



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