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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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うんめいとは

食事もそこそこに薬を飲んだむつは、店員を呼ぶと申し訳なさそうにリゾットを下げて貰っていた。


「食欲ないのか?」


「まだ、あんまりね」


「ふーん?一口食べるか?」


西原はフォークにくるくると巻き付けたパスタをむつの前に持ってきたが、むつは困ったように首を振って断った。


「あんまり痩せるとなぁ…」


パスタを噛みながら、西原はむつの横顔をじっと見ていた。むつは何を思ったのか、胸元を隠した。すると西原は違うと、ゆるゆると首を振った。食事を終えて、タバコを吸っていた山上は声を殺して、肩を震わせて笑っていた。


食事を終えて、一休みをした3人は外に出た。


「次は、と…」


当たり前のように運転席に座った西原は、山上から渡された資料を見ながらカーナビに住所を入力していく。入力し終えると、資料をむつに渡した。むつは改めて、次に見に行く所の間取りを見ている。


「なぁ決めたら即入居なのか?」


「うーん?え、即入居可?」


「まぁ大丈夫だな。内装も終わってるから」


「それなら、引っ越し祝い考えないとな…」


「あら、そんなのくれた事ないのに」


「仕方ないだろ?引っ越したとか、何にも知らなかったし…連絡先だって…」


西原が言いにくそうに言うと、むつはふふっと笑ってみせた。別れてからも番号だけは消さずに、登録していてくれた事を知っているだけに、むつは嬉しいような恥ずかしいような心地だった。

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