表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
482/1310

うんめいとは

どのくらい眠っただろうか、むつが目を開けると冬四郎も、椅子に座ったまま腕を組んで眠っていた。もぞっと布団から抜け出したむつは、近くに置いてあるカーディガンを手に取ると冬四郎にそっとかけて、布団に戻っていった。


次にむつが目を覚ました時には、薄暗い部屋の中で2人の男の話し声がしていた。がばっと起き上がったむつは、枕の下に手を突っ込んだ。


「…っ‼」


ぱちっと電気がつき、眩しさに目をぎゅっと閉じたむつは、枕の下から取り出した物を落とした。


「むぅちゃん、よく眠れましたか?」


「何だ…遥和さんとしろーちゃんか」


はぁと肩から力を抜くと、むつはぼすっとベッドに横になった。がたいの良いスーツ姿の男は、目尻に笑いシワを寄せながら、むつに布団をかけてやった。


「えぇ、お夕飯のご相談に来てたんです。起こしてしまって、すみません」


ベッドに腰かけた、がたいの良い男、京井遥和はむつの額に手を当てた。少し困ったような顔をし、冬四郎の方を向いた。


「まだまだ熱が高いですね。むぅちゃん…何なら食べられそうですか?」


「温かい物が良いなぁ。お汁粉とか」


「…ご飯じゃありませんね。宮前さんは何が良いですか?」


「お蕎麦ーっ。煮込んだやつがいい。ネギ多めで。しろーちゃんお蕎麦派だし」


「分かりました。むぅちゃんはどっち派なんですか?」


「麺は何でも好き」


「メンクイか…のわりに趣味悪いよな」


むつが掴んだ枕を冬四郎に向けて投げたが、冬四郎は易々とキャッチしてむつの頭の下に枕を置いた。京井はくすくすと笑いながら、支度してきますと部屋から出ていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ