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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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なつやすみ

冬四郎からのメッセージを読み、むつは少し悩んでいた。とりあえず、どうするでもなく電車に乗り込んだ。車内は意外と空いていて、むつは端の席に腰を下ろした。


携帯を手にしていたままのむつは、相変わらず画面をじっと見つめていた。文章を打っては消してを繰り返し、面倒くさくなったのか、今電車という事と家に行くという端的な内容を送った。返事はすぐにやってきた。むつは、画面を見ながらうっすらと笑みを浮かべた。


車内の暖かさと酔いとで、むつは眠くなってきていた。うとうとしていただけのつもりだったが、少し眠っていたようで気付けば降りる駅の1つ手前だった。むつは、冬四郎にもう1度メッセージを送った。やはり、返事はすぐに来た。ずっと携帯を気にしていてくれたという事だろう。


あっという間に目的の駅に着くと、むつは沢山の人混みに押されるようにしながら、よろよろと改札を出た。きょろきょろと辺りを見回していると、少し先の方から手を振っている男の姿が見えた。むつは、ぱっと笑みを浮かべたがそれが恥ずかしくなり、必死で笑みを隠してつかつかと男に近付いていった。


「おかえり」


「ただいま。意外と降りる人多いんだね…何かこうコンベアで運ばれて吐き出された感じだったよ」


むつがそう言うと、迎えに来てくれた男、冬四郎はくすくすと笑った。

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