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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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なつやすみ

むつは男から距離を取ると、大声で菜々の名前を呼んだ。だが、返事はなかった。むつは先程、菜々をどこに連れて行ったのかを見ていたたげに、そこに一直線に向かった。ばんっとドアを開けると、薄暗い教室の中に菜々が居た。


駆け寄ったむつは、がくがくと菜々を揺さぶった。慌てていたせいか、かなり乱暴だったが菜々は目を開けた。


「なーちゃんっ‼起きて早くっ‼早くっ‼」


目を覚ました菜々は、何が何だか分からなかったが、むつに急かされるままに立ち上がった。ぎゅっとむつが菜々の手を掴んで、教室を出ようとしたがドアの前には男が2人立っていた。


「ばか。ドアは1つしかないんだぞ?」


男が2人を見下ろして、鼻で笑っていた。むつは、菜々を庇うようにして前に出た。だが、どうする事も出来ない。廊下に出れないとなると、逃げ道はない。むつは、菜々を背中に庇いながらゆっくりと後退させられていた。菜々は、ぴったりとむつの背中にくっついて、Tシャツをぎゅっと握っていたが、決心したかのようにきっと顔を上げた。むつも貸すかに、こくりと頷いた。


「っわぁぁぁ‼」


むつが大声をあげると同時に、菜々はくるっと背中を向けて走った。そして、並んでいた椅子を掴むと振り上げて、窓に向かって投げた。その間にむつは、近くにあった椅子や机を男の方に向かって蹴った。

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