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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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なつやすみ

むつは家を飛び出すと、再び廃校に向かった。電話をして、のんびりと冬四郎たちが来るのを待っていては、菜々がどうなるか分からない。その一心だった。


校舎に戻ったむつは、そっと中に忍び込んだ。足音を立てないように、ゆっくり静かに歩いていたつもりだったが、不意に後ろで廊下の軋む音がした。はっとして振り返ると、むつはばしんっと顔を叩かれて壁にぶつかった。


「ほらな、もう1人居た」


「外にバッグが落ちてたもんな」


くらくらする頭を振って、むつは壁に手をついて倒れるのを堪えながら、声のした方を見た。男が2人、むつを見下ろしてにやにやと笑っていた。男の1人が、むつの顎を掴んで無理矢理上を向かせた。


「まぁそこそこ?」


「顔はあれでも、健康そうだから良いだろ」


何の話をしているのか分からなかったが、むつは顎を掴まれた事が、無性に腹立たしく手を振りほどくと、その手にがぶっと噛みついた。


「くっそがき‼」


ぶんっと降り下ろされた手が、むつの顔を再び叩こうとしたが、むつはそれを避けた。


「最近のがきは噛み癖でもあんのかよ」


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