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なつやすみ
目が覚めた時、むつは自分の部屋でベッドの中だった。いつ、部屋に来たのかさっぱりと覚えていなかった。カーテンを開けるともう蝉の鳴き声が聞こえていた。着替えを済ませて下に行くと、母親が起きていた。
「おはようございます」
「むつ、おはよう。もうラジオ体操?」
「うん、行ってきます‼」
むつは今日もラジオ体操に行き、プールでターンの練習をしてといういつもの午前中を過ごした。
「ねぇ、むつ。午後からはまた探しに行ってみない?」
「え?」
いつものように、駄菓子屋でラムネを買って飲んでいたむつは、菜々が何を探しに行こうと言っているのか分かるだけに、すぐに返事が出来なかった。
昨夜、風呂で冬四郎に行かないで欲しいと言われて約束したばかりだった。だが、廃校を見てみたいという気持ちも菜々からの誘いも魅力的すぎた。




