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なつやすみ
「家で、だったらな。ま、そういうのをやるなら学校とか神社の裏とかだからな」
「ふーん?でも、学校には入れないし。神社の裏は草ぼうぼうで入っちゃダメって、お父さん言ってた」
「あ、うちのパパも。毒蛇いるって言ってた」
興味を示していたむつと菜々だったが、そんなに面白そうに思えなかったのか、すぐに興味を失ったようだ。
「他には何かないの?」
「他にか…難しいな。考えておくよ。さて…ご馳走さん。明けだから、ちょっと寝てくる」
晃は今川焼を食べ終えると、逃げるようにしてカルピスの入ったコップとジャケットを掴むと自身の部屋に向かう為に出ていった。
「大人でも思い付かないなら…楽しい事なんてないのかもね」
菜々が呟くと、冬四郎は居心地悪そうに身動ぎをした。むつは、はぁと溜め息をついて、カルピスを飲み干すとがりがりと氷を噛み砕いた。




