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あこがれとそうぐう
篠田は今朝もすっきりと目覚める事が出来た。やはり、むつと冬四郎を頼って良かった、と思い部屋を見渡すと二人とも居なかった。
寝室から出ると、キッチンには冬四郎が立っていた。
「おはよう…今朝はむつさんがジョギング?」
「いえ、ソファーで寝てます。夜中に出て行って、そのままソファーで寝たみたいですよ」
リビングのソファーを見ると、確かにむつが寝ていた。冬四郎がかけたのか、布団が掛けられており、その上にはこさめが丸まって寝ていた。
「そうか…何かあったのか?」
「詳しくは分かりませんが、何かしたみたいでしたよ。そのあと、ぼそぼそ話す声がしてましたし。起こしましょうか?」
「いや、僕のせいで寝不足なんだろうし。そっとしておいてあげよう…あぁ、今夜が最後の夜か」
「乙女チックな事言わないでくださいよ」
くすくす笑うと篠田は身支度を整える為に、部屋に戻って行った。




