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あこがれとそうぐう
何を言われてるのか分からないむつは、ぽかんと口を開けている。
「え?」
「直弥と仕事で海に行った時に、あの人あんたの式神を持って帰ってきちゃったのよ。それが影響してるの」
「あ、そうか…あの気配は、そうか。そうか…ありがとう。後はあたしに任せてくれる?」
「あたしの事はどうするつもり?」
むつは少し悩むように、下唇を撫でていた。だが、ほとんど答えは決まっていた。
「篠田さんにきちんと話そう」
「気味悪がるだけよ」
こさめを抱き上げ、むつはふふっと笑った。こさめは抵抗せず、だらんと身体の力を抜いている。
「大丈夫、篠田さんが明日仕事から帰ってくるまでに何とかなるようにするよ」
こさめはむつを見つめていた。そして、大きな欠伸をした。
「連日、寝不足だわ」
こさめを膝に乗せ、撫でているむつも、大きな欠伸をしている。昨日は、ほとんど寝ていないのだ。




