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なやめるおとめ
「そんなに経つのか!!?」
「え、だって…ねぇ?」
むつは京井に同意を求めるように、言うと山上がソファーから立ち上がった。
「京井さんなのか?相手は?むつ、もう隠し事はしないでくれよ。お前が幸せなら良いと思うけどな、本当に幸せか?」
「えっと…そりゃまぁ…だって頑張ったし?」
むつが照れたように笑うと、山上はぐったりとソファーに座った。傍観者を決めていた颯介と京井は顔を見合わせた。
「あの…たぶん、話が噛み合ってませんよ?山上さんは、何を心配してるんですか?」
「そりゃあ…」
「むつに男が出来て、子供を授かったんじゃないかと…違うんですか?」
答えに詰まっている山上の代わりに、西原が言うと、京井が目を見開いた。そして、ゆっくりとむつの方を向いた。
「んな、わけない」
「はっ?だってお前、西原が電話した時に男と一緒で、息弾ませてただろ?んな、男と一緒に息弾ませてする事って1つしかねぇだろ?」
「1つ?」
むつが首を傾げていると、颯介が身をかがめてむつに耳打ちした。すると、むつは顔を赤くして山上を睨んだ。
「そっ…ちっがーう‼ばかっ‼」




