なやめるおとめ
さっさと用事だけ済ませたむつは、小雨が降る中オフィスに戻ってきた。
「たっだい、ま…?」
ドアの前には颯介が居て、人差し指を口に当ててしーっと言った。むつは何だか分からないが、とりあえず手で口を覆った。
「むつ、こっちに来い」
山上の声が奥から聞こえ、むつは言われるままにそちらに向かった。颯介も後からついてきた。
「お?」
奥のソファーには、山上だけではなく祐斗、冬四郎、西原に何故か京井と夕雨、勲衛門までが揃っていた。後者は、何だか気まずそうな顔だった。
「何…?」
「むつ、隠し事してるな?」
単刀直入に山上が言うと、むつは目を細めた。そして、京井の方をじろっと睨んだが、京井は何も喋ってないと首を横に振った。
「やっぱり、京井さんには話してるんだな?相手は誰なんだ?」
「…はい?」
話の流れがまったく分からないむつは、首を傾げていた。ダイエットの事が知られたのだと思ったが、どうやらそうではないようだ。
「待って、何の話?」
「お前が隠してる事についての話だ。何で誰にも相談しなかった?みやにこそ言うべきなんじゃなかったのか?」
むつは冬四郎の方を見た。不機嫌そうな顔をした冬四郎は、腕を組んでむつをじっと見ている。




