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なやめるおとめ
そろそろ、仕事も終わりそうかなという頃、むつはどこに行こうかなとそればかりを考えていた。
「むつ、悪いけど…お使い頼む」
「あ、はーい。どこに?」
珍しいなと思いながら、むつは山上から封筒を受け取った。宛名は書いてあるが、切手は貼られていない。
「メール便で出してきてくれ」
「はいはーい」
「あ、ついでにタバコ頼むな」
むつは上着を来て、携帯と財布を持つと出ていった。足音が遠ざかると、山上は携帯を取り出して電話をかけ始めた。
颯介は山上が珍しく仕事をしている風景に、何となく嫌な予感みたいな物を感じていたが、何をしてるのか聞きはしなかった。
「はよーございます」
「あれ?どうしたの?」
静かにドアが開き、祐斗が顔を出した。その後ろからは西原が顔を見せている。最近、この2人は本当によくてるんでるよな、と颯介は思っていた。
「呼ばれたんですよ、俺も西原さんも」
祐斗は山上の方をちらっと見た。颯介は嫌な予感は当たってるんだろうな、と思いながらも知らん顔を決めることにした。
「みやと京井さんと天狗と狸も来るから」




