なやめるおとめ
颯介と山上に昨日の事を話ながら、むつは事務処理をしていた。そろそろ、一段落付きそうになる頃、腹がくるくると鳴った。そう言えば、朝食抜いてきたんだった、とむつは思った。腹が空いてくると、なかなか仕事に集中が出来ない。昼はちゃんと食べようかなと思ったが、今日は1日デスクワークの予定だ。運動しないのに食べるのか、とぐるぐると考えていた。
「…つ、むつ、おーい。むつさーん」
「あ、はいはい‼何でしょう」
ぼんやりと考えていたむつは、名前を呼ばれていた事に気付くと山上の方を向いた。
「飯、行くけど。お前は?」
「えっ…」
もうそんな時間か、とむつは時計を見た。そして、どうしようか悩んだ。腹はくるくると鳴っていて、仕事に集中出来ていない。ゼリーとかで乗りきろうかとも思っていたが
「行く」
結局、むつは颯介と山上と一緒にランチに出た。そして、全部食べなきゃいいかな、なんて軽く思っていたが結果としては何も残さずに平らげていた。
しっかり食事をするのは、幸せな事だな、とむつは思ったがこんなんじゃ先は長くなりそうだと自己嫌悪にも陥っていた。だが、やっぱり運動するのが1番だよと自分に言い聞かせた。
そんなむつの、ころころと変わる表情を颯介と山上は不思議そうに見ていたが、何も聞かなかった。




