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なやめるおとめ
むつと冬四郎は少し離れた場所から、こさめと篠田の楽しそうな様子を見ていた。
「篠田さんってさ、こさめをどう見てるの?あの感じなら普通の女の子として見てるの気もするけど」
「そんな感じだな…まぁ何も思ってないなら、こんな風にデートしたいなんて思わないだろうしな」
「篠田さんがデートしたかったの?」
「たぶんな…昨日の話だとそんな感じだな」
ふーんとつまらなさそうに返事をしたむつだったが、その口元にはくっきりとひた笑みが浮かべられていた。
「むつーっ‼あれ乗る‼」
こさめが指差して言っているのは、メリーゴーランドだった。むつはくすっと笑うと、冬四郎の手を引いて待ってるこさめと篠田の所に向かった。
「あれなら怖そうじゃないし」
「まぁ、回ってるだけだし」
むつは馬と馬車で悩んだが、冬四郎と一緒に馬車に乗った。前にはこさめと篠田が同じ馬に乗っていた。
「なんつーか…見ててこう恥ずかしくなるくらいの、あれだよな」
「本当にね。篠田さんって意外とぴゅあぴゅあな感じを好むんだねぇ」
携帯を取り出したむつは、こさめと篠田の様子を写真におさめた。そして、にやっと笑った。




