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なやめるおとめ
「むつも新しいの買う?」
「その前に測って貰う。すみませーん」
むつは店員を呼ぶと試着室に入り、サイズを測って貰った。両手を水平に持ち上げて、メジャーで服の上から測るだけなので、すぐに終わる。
「アンダーは今のままで、1サイズ上のやつが良いと思いますよ」
店員に礼を言い、むつは試着室から出た。少しがっかりしたようなむつを見て、こさめが心配そうに寄ってきた。手にはいくつかの下着を持っている。
「むつ?」
「…何でもない。それよりそんなに買うの?」
「ん?2枚くらいだけど…悩み中。てぃーのはどれ?」
「店員さんに聞いて交換して貰わないと」
こさめが持ってきたのをむつは、1枚1枚見て、こっちのが可愛いなどとこさめと話している。
結局、むつもこさめも3枚の下着を買った。そのうちの1枚はお揃いの物だ。紙袋に入れて貰い、2人はぷらぷらと服を見たり、靴を見たりしていた。
「冬服もそろそろ買わないとね」
「うん。あと家で着るやつも直弥のじゃ大きいから動きにくいんだよね」




