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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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うたげ

勲衛門の幻術を見て、けたけたと笑っていたむつもこさめは気付けば静かになっていた。


「あの子供たち寝ちゃいましたけど」


おずおずと勲衛門が京井と夕雨に声をかけた。2人は罵しり合いながらも、それでも仲良さげに呑んでいたが、手を止めた。勲衛門の言う子供たち、むつとこさめはくぅくぅと眠っている。祐斗と西原も、幻術を見ていたのか近くでうとうとしている様子だった。


「では、お布団の用意しますか…1組ずつでよろしいですか?」


京井がからかうように冬四郎と篠田に言うと、2人とも首を横に振った。


「いや、みやの所は1組で良いだろ。昼間も仲良く過ごしてたもんなぁ」


「あとで、写メ送ってくださいね」


冬四郎がしれっと言うと、からかっていたはずの山上は真顔になった。颯介と篠田も意外そうな顔をしている。


「開き直るが1番ですもんね」


京井が先に行くと、冬四郎はむつを抱き上げてあとに続いた。そして、布団にむつを寝かせた。京井はすぐにこさめの布団と他の人の布団を用意する為に出ていった。


冬四郎が顔にかかった髪をよけてやると、むつはうっすらと目を開けた。


「お風呂…」


「明日の朝で良いだろ?」


むつは頷くと、少し身体の位置をずらした。そして、ぽんぽんと枕を叩いた。悩んだ冬四郎は、仕方なさそうに隣に潜り込むと腕を差し出した。


「甘ったれ」


「寒いから」


むつは冬四郎の腕に頭を乗せて、すり寄るとまたすぐに寝息を立て始めた。だが、冬四郎はなかなか寝付けなかった。

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