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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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うたげ

屋根のぎりぎりまで来たむつは、こさめのフォローをしようと、ポケットから出した札を投げた。視界が悪いわりには、しっかりと命中した。ぎゃっと言って倒れた男にこさめがのし掛かって、爪でひっかいている。


京井のにらんだ通り、やはり幻覚だったのか室内のゴキブリがだんだんと減っていく。こっちは簡単に片が付きそうだったが、京井の方はそうもいかないらしい。


ぶんっと太い腕を振り上げて、京井と男が組み合っている。少し離れた所からしか見えないが、大男2人がタタカウ姿はかなり、見応えがある。


加勢しようと、札を持ったむつは、タイミングを見計らい投げた。びゅっと飛んだ札が、男の服と腹を切った。だが、男は怯む事もなく、屋根にいるむつに気付いたのか、大きく手を振り上げた。また強風が吹いて、むつは屋根から落ちそうになった。


「むぅちゃんっ‼」


強風に目を閉じていたむつの目には、男が背中に生えた羽根で飛び上がり、すぐ目の前にやってくるのが見えた。男が手にしていた棒をむつの方に、勢いよく投げた。受け止めきれないと判断したむつは、咄嗟に転がって避けたがその先に屋根はなかった。


転がり落ち、何とか着地してすぐに立ち上がったが、ずきずきと足が痛んだ。むつは、苦し紛れに札を投げて、体勢を立て直そうとした所に、あらぬ方向から何かが飛んできて下敷きにされた。


「いったぁ…」


「むつ、ごめーん」


むつの背中にちょこんっと座ったこさめが、申し訳なさそうにむつの手を引いて立たせた。

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