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うたげ
ぎゅっとニット帽を被っているむつは、京井に支えられながら、部屋の中に札差して結界を張っていく。
「むっちゃん…今度の作戦は?」
「じっとしてて。結界から出ないでね…先輩、テーピングして」
むつは足を出して、西原にテーピングをして貰うと軽く足首を動かした。
「問題ないかな」
その場でジャンプをしてみたむつは、くぅぅっと顔をしかめた。テーピングをしたから、痛くないわけではない事を分かっていなかったようだ。
「バカか」
「うっさいわ」
京井はチョークで畳の上に線を書くと、その中に入ってくださいと言っている。体育の授業でも始まりそうな感じだった。
むつ、京井、こさめ以外の男たちはその中に大人しく入った。そして、むつたちは何も言わずに外に出ていった。残された男たちは、これから何が始まるか何も知らされてないだけに、不安げな様子だった。
「何させられるんでしょうね」
「さぁ?むっちゃんと京井さんだから変な事にはならないと思うけどね」




