うたげ
「むぅちゃん…それで、本当に離れに宿泊で良いんですか?本館のお部屋も用意してありますよ」
京井に案内され、離れの部屋に通されたむつは、居間に囲炉裏があるのを珍しそうに見ている。
「うん、無理なら本館に泊まるけど、仕事するならこっちのが都合が良いと思うから」
「分かりました。その時はすぐに、おっしゃって下さいね。むぅちゃんが居る間は、わたしも居ますからね…」
それからと、京井と細々とした事を話したむつは、鞄を玄関先に置いて京井と一緒に外に出た。
「所でさ、何時頃に出るとか発生した以外の被害とか…あと部屋の中から湧くの?それとも外から?」
「時間的な事は分かりませんが、深夜ですね。被害は特にはただ出るだけですね…たぶん、外からです。普段室内で見掛ける事はありませんし」
むつはそうと返事をすると、京井の許可を得て庭に札を数枚埋め込んだ。
「結界になるし、外からならこれで気付ける。あとさ…焼いたらダメよね?潰すのも…何か大きい掃除機とかあったら便利かなーって思うんだけど…ある?」
「…夕食時までに用意しておきます。それまでは、ゆっくりなさって下さい。紅葉が始まってますから露天風呂も良いですよ」




