304/1310
うたげ
「颯介さん悪乗りしないの…まぁ確かに祐斗の寝相の悪さは激しかったね。起きたら足があって、びっくりした」
「3人で寝たんですか?そのわりには、谷代君の匂いがないような…」
冬四郎、山上、西原は京井が言うのだから嘘ではないだろうと、むつと颯介を交互に見ていた。
「遥和さんも悪乗りしないの」
「面白そうでしたから」
颯介が皿に乗せた、たい焼きを取るとむつは溜め息まじにり、かぶりついた。次のは、餡子だった。
「で、それより京井さんは何かご用事ですか?」
立たせたままの京井に颯介は、むつの隣の椅子を進めた。
「えぇ、まぁちょっとお仕事をお願いしようかと…忙しくなければですが」
「それなら、ソファー行く?」
「いえ、むぅちゃんに話が出来たら何処ででも構わないですよ。それより、むぅちゃん餡子ついてる」
口の端についた餡子を京井が指で拭って、ぺろっと舐めた。むつは恥ずかしそうに、颯介から渡された紙ナプキンで口元をごしごしと拭いた。
「で、仕事って?」
たい焼きを食べ終えて、コーヒーを一口飲んだむつは、もう眠そうな顔はしていなかった。




