ゆめのうち
獏の道案内に従って、颯介と祐斗は手すりの上を歩いて、端まで行くと飛び降りた。だが、落下することなくまたすたすたと歩いていく。颯介と祐斗は、怖々と足元を確認すると、見えないが道があるように固い。だが、それでも1歩1歩踏み出すのに、慎重になりゆっくりだった。
「あと少しだ」
獏は歩くのに疲れたのか、後ろ足で立ち上がると、前足を手招きのように動かすと抱っこさせた。
「あと、どのくらいで?」
「ふむ、あの梯子を登ればな」
颯介と祐斗は見えてきた梯子を見上げた。先が見えない程まで上に続いているようだ。
「筋肉痛覚悟、かな」
「寝不足もです…しかもロープ梯子」
颯介は梯子に手をかけて、登り始めた。どこまで続いてるのかも分からないうえに、足をかけるごとにゆらゆらと揺れていつ切れるかも分からない。これも悪夢なんだな、と颯介は思った。だが、ようやく終わりそうだと思えた。
「ロープの先がない」
「手を伸ばせ」
祐斗の胸元に突っ込まれていた獏は、するすると颯介の背中を上るとロープの先に向かって行った。ロープの切れ目から、突然姿が見えなくなった獏を追うように颯介と祐斗も手を突っ込んでみると、ぐいっと何かに引っ張られた。
「うわっ…」
そして気が付いた時には、天井を見ていた。そっと周囲に視線を向けると、すぐ横にむつの顔があった。くぅくぅと眠っているのを見て、颯介は何があったのかはまた後で聞こうも思い再び目を閉じた。




