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ゆめのうち
柚子の香りにリラックスし、ゆっくりと身体を温めてから颯介は風呂から出た。考えてみたら、ここ最近こんな風にゆっくり湯に浸かっても居なかった気がした。
颯介は着替えてリビングに戻ると、むつと祐斗がテーブルに食器やらを運んでいた。
「むっちゃん、お風呂ありがと」
「うん、ちゃんと温まった?」
「お陰さまで、ゆっくり入らせて貰ったよ」
満足そうにむつは頷いた。そして、支度出来たから、座ってと言われた。祐斗がメールで言った通り、夕飯は和食だった。それも、つい昨日食べ損ねた鯖味噌だった。
颯介が瞬きを繰り返し、むつの方を見た。
「颯介さん、鯖味噌好きでしょ?」
「知ってたの?」
「そりゃあ、何回も一緒にお昼行ってるし」
当然、と言わんばかりにむつは笑った。鯖味噌の他はひじきの煮物と紫蘇の入った卵焼き、アサリのすまし汁などが並べられた。
「むつさんが料理出来るのってなーんか不思議なんですよね。しかも旨いし」
祐斗は何故か腑に落ちない様子で、早速箸を持つと厚みのある鯖をほぐして口に運んでいた。




