283/1310
ゆめのうち
「それで…やっぱり寝れなかったみたいですね。大丈夫なんですか?」
祐斗は自分の目の下を人差し指で撫で、隈が出来ていると言いたいようだった。
「うん、何でだかね。眠くはなるんだけど…今も少し眠いよ。特に社長が考えてる間とか」
「何もしてないと寝そうな感じっすね」
うんうんと祐斗は頷いた。
お湯が沸き、マグカップに注いでから颯介と祐斗は山上が待つソファーに向かった。
「湯野ちゃん…さっきの手、待った」
「今更ですか?狡いですよ」
山上は祐斗が持ってきた紅茶を一口飲み、じっと碁盤を見ている。稀に見る、真剣な表情だった。
祐斗は山上の隣に座ると戸棚から出してきた、菓子をつまみながら文庫本を読み始めている。その膝の上には、甘い香りに誘われたのか、いつの間にか管狐が居た。




